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いまさらだけど消費税の目的って何?消費税の増税は避けられないの?

膨らむ社会保障費!消費税は本当に有効?

税金イメージ画像現在、ここ日本で物を買うと8%の消費税が課税されるということは、皆さんもよくご存知ですよね?
平成元年に3%でスタートした消費税は、平成9年に5%、平成26年には8%と、段階的に引き上げられてきました。そして2017年には10%へ引き上げられる予定となっています。

増税となると消費者も財布の口を引き締めるようになり、消費の低迷を招くこともあるほか、増税前の駆け込み需要後の消費減少(反動減)といったデメリットもあります。

しかし、「消費税反対だ!」と叫んでいる消費者の中には、なぜ消費税が必要なのか? なぜ増税を行う必要があるのか? といったことすら分からないという人も多いようです。

実際、周囲の人に消費税に関する質問をさせていただいたのですが、「国にお金が無いから」ならまだしも、中には「国が決めたことだから」と的外れな回答までいただきました。

「国が決めたことだから」という答えに関しては大いに議論の余地があるでしょうが、ここはそれを議論する場ではないのでそれは他に譲るとして、ここではなぜ消費税が必要なのか? 消費税を増税するのはなぜなのか? についてお話していきます。

進む人口減少社会

まず、なぜ消費税が必要なのかというと、急激に負担が増してきている社会保障費を賄うためです。
ご存知のように、現在の日本は出生率と死亡率の逆転現象が起きています。つまり少子高齢化が着実に進んでいるわけですね。

単純に考えても、年金や医療費など、若者世代にどんどん負担がのしかかっていくのは明白です。かといって、国がこのままどんどん借金を増やしていくにも限界がある――というところで国が目を付けたのが消費税なのです。

要は、すべての国民が公平な税率を負担すること(ここにも大きな議論の余地がありますが……)で国の税収をアップし、それをかさむ社会保障費へ充てようというのが目的なのです。

各国の消費税事情

名称やシステムは若干異なりますが、日本の消費税のようなものは世界各国で導入されています。特に、ヨーロッパ各国は消費税を導入している国が多く、税率も日本より高いのが特徴です。

EU加盟国で見ると、もっとも低い税率がキプロスの15%で、高福祉で知られる北欧では、フィンランドが23%、スウェーデン25%となっています。またEU加盟国ではありませんが、同じく北欧のノルウェーでも24%の税率が課されています。

先進国でみても、イタリア21%、フランス20%、イギリス20%、ドイツ19%などとなっており、軒並み高い税率となっています。
アジアでは、中国で17%と高い税率となっていますが、お隣韓国では10%、台湾5%、マレーシア6%、フィリピン12%。タイとシンガポール7%、インドネシア10%などとなっています。

その他、カナダやアルゼンチン、中東ではトルコやイスラエル、オセアニアではオーストラリアやニュージーランドで日本の消費税に相当するものがあります。ちなみにアメリカは連邦政府自体で課税を行っている消費税はなく、州によって独自に決められています。

日本の消費税と各国の消費税との決定的な違いとは?

北欧では消費税の高い税率によって高福祉を実現しているということは多くの人が知る事実です。もちろん、北欧にしてもいきなり20%を超える消費税を国民に課したわけではありません。日本よりも早い時期に導入し、その後段階的に消費税を上げ、現在の消費税率となっているのです。

税率を上げることで国民からの反発がなかったわけではありません。しかし、結果として世界トップクラスの高福祉を実現したという現実を見れば、消費税による成功例に見えなくもありません。
しかし、そこにばかり目を向けていくのも危険です。北欧の例を見れば分かるように、たしかに消費税導入によって高福祉を実現している国があるのも事実ですが、それがそっくりそのまま日本に当てはまるのか? といえば決してそうとも言い切れません。なぜなら、世界各国と日本の消費税には大きく異なる部分もあるのです。

食品にかかる税率

日本で食品を購入すると、すべてに8%の消費税が加算されますよね? しかし、ヨーロッパ諸国では食品にかかる消費税率は標準税率よりも低く設定しているところがほとんどなのです。

例えば標準税率21%のアイルランド、同じく20%のイギリスなどは食品にかかる税率は0%。標準税率21%のオランダやベルギーでは食品にかかる税率が6%などなど――ほとんどの国で標準税率と食品にかかる税率とに大きな開きがあるのです。

消費税を導入している各国の中で、標準税率と食品にかかる税率が同じなのは、ヨーロッパの一部の国と日本を含めたアジア各国だけなのです。

特定品目の軽減税率

また、世界を見れば、食品以外でも特定の品目に限って税率が軽減されるシステムを確立しているところが多いのも実情です。

例えば、住宅の購入や医療、保険、金融、教育、福祉などに関しては非課税であったり、光熱費や育児など生活に深く関わる品目に関しても標準税率よりも遥かに低い税率を設けたり――ということが世界では当たり前に行われています。
アジアでいえば中国やインドネシアなどで特定品目の軽減税率が導入されています。

日本における軽減税率の導入は?

日本でも、軽減税率の導入議論が行われています。財務省では、マイナンバーカードの提示によって税金を還付するという方法が提案されましたが、その前に物価上昇率の鈍くなった状態で消費税を増税して大丈夫なのか? といった意見もある上、スーパーなど小売店側でもマイナンバーカードを読み取るための端末を導入しなければならないなどの問題、それに加えて各業界の利害関係も複雑に絡み合い、なかなか結論を見ないのが現状です。

しかもこの還付制度に関する議論、先日白紙撤回されてしまったのも記憶に新しいところです。「軽減税率を導入するならヨーロッパスタイルですべきだ!」と主張する公明党への配慮、それに財界や各事業者などからさらに深い理解を得られるように議論を進めていく必要があるというのが白紙撤回の理由のようです。

すべての品目に同じ税率が課され、特定品目の軽減税率すら未だ議論されている状態、しかも大いに政治利権が絡んでいるこの日本において、「日本はヨーロッパよりも税率が低いんだからまだマシだ」と言うこと自体がナンセンスなのです。

国民から吸い上げるよりもまずすべきこと

ものには順序というものがあります。増大する社会保障費を賄うために消費税を上げるというのは決して間違いではありません。

しかしそれ以前に、税収を上げるのであれば増税の前にしなければならないこともあると言われます。それが、滞納されている税金であり、脱税であるのです。

現在滞納されている税金や、脱税によって本来徴収されるべき税金なども相当な金額に上ります。公平に税を徴収するのであれば、まずはそちらが先ではないのか? という声も多々あるのです。

ただし、この問題に関してはマイナンバー制度の導入によって、ある程度の改善は見込めるはずです。というよりそうでなければ国民は納得しないはずです。「日本もヨーロッパのように……」というのであれば、こうした部分ももっと真剣に議論されて然るべきでしょうね。

今後、軽減税率を巡り激しい攻防が予想される

現在では消費税10%でとどまってはいますが、この先さらに増税ということも十分に考えられることですから、特定品目の軽減税率に関する議論は今後さらに活発化していくはずです。

ちょうどこの記事を書いている最中、首相が軽減税率の導入を指示したとのニュースが舞い込んできました。軽減税率を導入するということは、一時議論されていた消費税の還付という案はなくなることになります。つまり、先日白紙撤回された財務省の還付案は完全に撤回され、軽減税率を導入する方向でまとまりそうです。

この先消費税のゆくえはどうなるのか――消費の主役であり消費に深く関わる国民が、しっかりと意識しておく必要があります。

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